今回は ジレラ サトゥルノ 350 IOM です
今回の車両は驚きの走行200キロの車体です
委託販売で長く預かっておりましたが 先日 買い手が見つかりまして
車検通して 各部を整備して 今日 ちょっと長い試乗に行ってきました
なんぼ ほぼ新車っちゅーても30年ほど眠ってた車体ですので整備しないとね
売りに出す前にも整備しましたが それから今回まで2年ほど当店でも眠っていたので
またまた整備です
2年前にせっかく変えたバッテリーですが新たに新調します
キャブは僕の大嫌いなデロルトです
コイツがクセモノで オーバーフローパイプがございません
で、引き上げてきた時は タンク内に錆
もちろんキャブ内もわやくちゃで、フロートが閉まらずに固着してまして
っちゅー事は?
オーバーフローパイプがないのでタンク内のガソリンが全てエンジンに流れ込みます
で、ピストンリングの間を通って クランクケース内のエンジンオイルとガソリンが混ざって
超シャバシャバ!
こんな状態でひとたびエンジンをかけようもんなら、そりゃあっちゃこっちゃに油膜がないので
エンジンの寿命を大きく消費することになるでしょうね
キャブの構造のせいでエンジン壊す?
アホなん?イタリア!
ほな ガソリンコック閉めといたら?
なんですが これまたクセモノでマフラーとフレームの指入らんところにコックが付いてます
走ってきて オフにしよっと
ってな時に もれなく火傷仕様です
アホなん?
せめて負圧コックにしとけばそんなトラブルもないのにね。。。
というわけで そんなアホなコックは開けっぱなしにしといて
やりやすいところにコックを付けときます
これでアホなキャブのアホさ加減をカバー出来ました
で、なんぼセル回してもかかりません
なんでや!
ふと見ると 写真の状態がRUN状態です
逆やん!
スイッチまでアホなん?
で、プラグはタンク外さないと変えれません
まあこれは国産にも見られることなのでしゃーないとして
ほなちょっと試乗しよか!
ん?
なんか浮いてる
触ってみると ノーーーうう!
チェーンスライダーがパキパキに割れました
なんじゃこりゃ!
モロイ!モロ過ぎる!
で、ググると これがなんとKTMのやつがドンピシャで合うとの情報をゲット!
早速注文します
で、2年前にぶらんぶらんにゴムが割れてぶら下がってたウインカー
ゴムを取っ払ってスチールに作り替え これでOK!
と思いきや 今度はウインカーボディー自体が割れよる!
イタリアの樹脂ってのは そんなに短命なの?
オーナーにお伺いして フルアルミボディーの社外品に変えることになりました
届いたぜ!スライダー!
早速付けますが 不要な部分のカットは必要なものの ちゃんと付きました
グッジョブ!KTM!
で、調子がいいのか悪いのかわかりませんが とにかく車検に行きますが
何故か1発で合格でした
それから 今度はタンクの残量センサーからガソリン漏れ
またここも樹脂。。。
ガソリン用の液体パッキンを盛りまくって二日乾かして
よっしゃ!止まった!
試乗に出かけます
試乗ついでにタコ焼き食べて
あっちゃこっちゃ40キロほど走りました
チェーンスライダー
えー仕事しよるやん!
と、タイトルとは裏腹に 文句ばっかりの今日の内容ですが
今回の試乗のインプレッション
「これは気持ちいいぜ!」
です
さんざん ここまで苦しめられましたが(特に樹脂に)
その苦労も報われます
なんちゅーても タンクローリーに映る 自分のライディングスタイル
カウルに覆われて イヤん かっちょえーやん!
昔見た仮面ライダーみたい!
で、140キロほど出したところ 全くヨレない ブレない
さすがマン島でレースしたろかい!ってなモデル
フレームと足回りはしっかりしてます
SRやグースより安定感はあると思います
エンジンもまだ回る余地はありそうなんですが
アホのデロルトのせいでしょーねー それ以上はモタつきます
っちゅーことで FCR 付けてる人も多いと思います
コーナリングは今回オーナーの意向でタイヤは変えないのでね
これ 滑ってこかすと もうパーツ なさそうですよね
怖くてそんなに攻めれませんでしたが まあ軽いのでヒョイヒョイっと曲がれそうなイメージはあります
次にポジションですが 見ての通り スポンジのレーシーなシートが付いていますが
40キロほどの走行なら別にどうも思いませんでした
まあ 大体のバイクがそれ以上乗るとどこかしら痛くなります
前傾もそれほど苦も無く すり抜けガンガン仕様です
タンクはニーグリップしやすくて マフラーは見た目ほど気にせず内股でも乗れます
やるやんけ!イタリア!
とね アホな作りは沢山ありますが
それを補って有り余る魅力 あるんですよ
特にやっぱりね こんな普段は見た事ないバイクに乗ってる自分に酔う的な?
所有欲を満たすバイク あんまりないですよね
そこに来て それだけじゃない走ってもなかなか楽しいバイク
ないですよ 実際ね
大体 古いヘンテコなバイク
所有欲は満たしますが乗ると実に面白くないってのが多いので
ここはとっても大事なポイントです
もうね 整備してる時は
「ジレラめ!イタリアめ!アホなんか!」
ってな感じでやってましたが このバランスを試行錯誤して経験と独特なセンスから作り出した
ってな点で 「これは良いものだ!」とね認めざるを得ませんね
なのでもし君がサトゥルノ かっちょいいぜ!欲しいぜ!ってな時は
気長に整備してくれるショップを絶対に見つけてからにして下さい
あとは 維持出来るだけのマニー そりゃ国産に比べると多めに用意する必要があるかもね
なんですがね
タンクローリーや ショーウインドウに反射して映る自分を見てしまうと
もうね 君はサトゥルノの虜になってしまってるかもね
その姿は少年時代の赤いマフラーを巻いたヒーローに見えたりするのかもね